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学術情報交換用
変体仮名

このページについて

このページでは、国際文字コード規格に提案するために選定した「変体仮名」の文字画像と文字情報を公開します。

「学術情報交換用変体仮名」とは

学術分野においても、仮名の異体字である変体仮名を情報機器で扱おうとするニーズがあります。日本語史での仮名字体の記述や、古文書の特殊翻刻などにおけるニーズです。

これらのニーズを満たすために、文字図形として安定している活版印刷以降の変体仮名を集め、文字コード標準化のための文字セットを作りました。この文字セットを「学術情報交換用変体仮名」と称することにしました。

「学術情報交換用変体仮名」の作成についての詳細は、「変体仮名のこれまでとこれから」(『情報管理』58 巻 6 号)をご覧ください。

変体仮名文字コード標準化の流れ

変体仮名を情報機器で扱おうとする最大のニーズは行政にあります。1947 年以前には変体仮名を名づけに使うことができたため、現代の戸籍や住民基本台帳では変体仮名が使われており、行政情報交換では変体仮名文字コードが必要です。行政情報交換で必要な変体仮名の全体像はまだわかっていませんが、戸籍統一文字には 168 字の変体仮名が収録されています。

国際文字コード規格を担当する情報処理学会情報規格調査会 SC2 専門委員会は、戸籍統一文字の変体仮名と「学術情報交換用変体仮名」をベースに検討を進め、日本から国際文字コード規格に新たに収録提案をする変体仮名セットを作成しました。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「MJ 文字情報一覧表変体仮名編」が、日本提案文字セットです。

2015 年 10 月 19–23 日に、日本の松江市で開催された ISO/IEC JTC1/SC2/WG2 会議において、日本から変体仮名の収録提案が行われました。(提案文書 ISO/IEC JTC1/SC2/WG2/N4674 zip ファイルとなります。)この会議において、変体仮名の符号化モデルが決定しました。また、松江会議においては、大阪大学 矢田 勉先生(現東京大学)が変体仮名の提案に関して、符号化の必要性を発表(提案文書 N4489)されています。

2016 年 9 月 25–30 日に、アメリカのサンノゼ市で開催された ISO/IEC JTC1/SC2/WG2 会議において、変体仮名 286 字を ISO/IEC 10646 第 5 版追補 1 の投票案に含めることが決定しました。SC2 レゾリューション文書(N4498)にその決定が記されています。

2017 年 6 月 20 日にリリースされたUnicode 10.0.0に、変体仮名 286 字が収録されました。(なお、収録された変体仮名の Block は、Kana Supplement, Kana Extended-A です。)

Unicode 10.0 に収録された変体仮名 286 字は、戸籍統一文字と「学術情報交換用変体仮名」の和集合となっています。戸籍統一文字の 168 字全てが収録されており、この内 147 字は「学術情報交換用変体仮名」と共通です。両者の包含関係は次のようになります。

Unicode 10.0の変体仮名の内訳


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