春はそれともしら歯の女児小六が方への文さへも書たばか

りで届くべき手便なければかやかくとあんじ過しも積の

たねくよ〱ひとり物おもひかへれば兵衛は完尓と兵ヲヽおはる

皈つたかママちよつとこゝへ来やおぬしにちよつと聞たいことがト

いはれてハイと父の側すはれば兵衛は聲をひそめ兵今

あらためていふではなけれど貧しいくらしのその中におれが

ひさしいこの病気なんにつけてもそなたの手一ツなか〱十五や

十六で並のものに出来はせぬその志ざしはうれしいとも辱