見てどふぞ月二両くらゐで世話にしやうとおつしやるから
ねへおまへさん無躾ながらまだアノ児も誠の稚女月二両と
いふ旦那は滅多にやアありません先さまの風のかわらない
うちはやくおとり極なすツたらアノ児ばかりかマアおまへ
さんもお仕あはせ其上てまた折によつては五両三両の無
心もきかうといふもの何といつても先がおまへさん有人のこと
だからどうでもなりまさアなト聞て兵衛は形をあらため
兵これは〱ぞんじもよらぬ親の欲目かしらねどもまづ人並