に立ざる時宜そこでアノ児がいろ〱と縡わけいふて親父
どのをやう〱宥めておいたれどどうで此まゝでは済ぬわけ
この事が大きくなればわたしと小六さんばかりでなくおまへ方
兄弟のめいわくにもなるは必定といふて何もみンな金づく
今十四五両もあつたなら波風なく侘言すみわたしも此身
を沽いですむ何とおまへ小六さんにくわしく噺して金借て
くださんせぬかとお春さんがたのみに姉もぎつくりしてマア〱
それはどの道にもわたしが咄しして見やうが仮初ながら十四