しき事をしてけりといふにいはれぬ後悔に娘心の
あとやさき既にその夜も明けれど米を買べき手
術なくとなりで僅かり求めかゆに仕たてゝ病む人も
まづ朝餉をばすゝめてもおのれが喰ば病む人の食の
不足にならんかと飢をしのぶも親のため兵衛は夫
とも気がつかず兵コレおはるめしをくはぬか粥の残りも
あるではないかサア〱はやう給たがよいアヽしかし米が
ないかやそれで食ずに居るではないかそんなりおれは