なうことじややらおもへば浮世がうらめしいト袂くはへて
しのび泣すゝりあげ〱霎時泪にくれけるがこゝろに
佶と思按を定めヲヽそうちや〱ヲヽそうじや千人に
肌をふれ一人の親をやしなふもかう〱といふ事がある
泣たとてわらふたとて米やお金が降ても来ぬそれ
よりか今井戸ばたで裡の老婆さまがはなすをきけば
夜鷹とやらは一晩で大造なお銭になるとよもや
嘘でもあるまいかどのやうな事するものか様子はしれ